足底腱膜炎

足底腱膜炎とは?

足底腱膜には体重を支える際に衝撃を吸収したり、蹴りだす際に足部を安定させたりする機能があります。足底腱膜炎は、足底~踵(かかと)周囲に痛みが生じる障害です。起床直後の第1歩目や歩く際など体重がかかった場面に痛みが出やすいのが特徴的な症状です。

原因

「加齢」「肥満」「足裏の組織が硬い」「ふくらはぎの筋肉の柔軟性低下による足首の硬さ」「偏平足など足のアーチ機能が低下している」などにより、足底部の変形(加齢に伴うもの)や足底の偏った部分に負荷がかかり過ぎてしまうことが主な原因です。

また、「ランニングやジャンプを頻回に行うスポーツ」「長時間の立ち仕事」「硬い地面での仕事や運動」「クッション性の悪い靴の使用」などの環境的な要因も原因となります。

治療方法

足底は、筋肉・腱膜・脂肪組織などがあり、痛みが出現している組織を鑑別することが難しい場所です。

当院では超音波診断装置も使用しながら痛みの部位の特定を行っています。炎症により痛みが強い場合は、ステロイド注射が効果的です。また、一時的に足底への刺激を減らすために、「日課の散歩やジョギングなどの中止」「仕事であれば立位作業時間を減らす」「スポーツでは疼痛の出ない範囲まで練習強度を下げる」「テーピングの使用や靴の調整」など日常における負荷を軽減することがとても大切です。

リハビリでは、「筋膜の柔軟性向上(足底のみでなく、アキレス腱を介して筋膜で連結している下腿三頭筋やハムストリングスの柔軟性も改善する)」「足首や足部の動きの改善」「足部アーチ機能改善」を中心に行います。症状が改善しない場合や足のアーチ機能を補助する目的でインソールの作製も行っています。

近年では、足底部の症状に関して体外衝撃波と言われる物理療法の治療効果も示されており、当院では治療経過を見ながら医師の判断の下、上記治療と併行していきます。