知っておいて損なし!!~保険証編~

事務の安藤です。今回は皆さんが持っている保険証について、お話しようと思います。

また、皆さんが医療機関で当たり前のように行っていること、目にしているものについても合せてお話します。

知っていることは再確認し、知らないことは少しでも知るきっかけになればと思いますので、ぜひお付き合いください。

ではまず、保険証の種類と負担割合について、覚えておきましょう!!

※本記事の内容は2023年2月現在のものです

保険証の種類と負担割合

 保険証の種類

★社会保険(組合健保・協会けんぽ・共済組合)

★国民健康保険(市町村国保・国保組合)

★後期高齢者医療制度

負担割合

5歳未満(義務教育就学前の6歳含む) 2割
6歳以上70歳未満 3割
70歳以上75歳未満 2割
75歳以上 1割

このように、基本的には年齢で負担割合が決まります。多くの方は3割負担、70歳を超えると段階的に割合が減っていきます。

しかし、所得によっては70歳以上でも負担割合が上記のように減らない場合もあります。

また、自治体によっては子供の医療費に助成制度を設けているところもあるため、2割以下の負担の割合となることもあります。

保険証確認について

皆さんは理由も分からずに月に一度の保険証確認を受けていませんか?

これにもちゃんと理由があるのです。

Q なぜ毎月保険証を提示する必要があるのですか?

→ 医療機関は毎月保険証を確認するよう法令で義務付けられているからです。

医療費のうち、患者さんが医療機関に支払うのは負担割合に応じた一部であり、残りは医療機関が保険証の発行元に請求します。この請求は月ごとに行います。保険証の番号や負担割合などの変更があった場合でも、適正な保険請求をするため、毎月保険証を確認させていただいています。

お手数ですが、当月初めてのご来院の際は保険証を受付にてご提示ください。

Q 保険証はコピーでも使用できますか?

→ 保険証のコピーを用いた保険診療は認められません。

必ず、原本をお持ちください。

Q 保険証がない・忘れてしまった場合はどうすればいいですか?

→ 各医療機関によって、対応が異なりますので確認ください。

当院では、1万円の預り金対応とさせていただいております。当月内に保険証を確認させていただければ、預り金を返却し負担割合にて請求いたします。

マイナ保険証について

話題のマイナ保険証って、なに?

 マイナンバー制度の運用がスタートしたのが2016年1月。国はマイナンバーカードを普及させようと様々な政策を取っていますね。マイナポイント事業は大きな話題となりました。これを機にマイナンバーカードを作る人が増えたように感じます。

新たな普及策として、2021年10月20日よりマイナンバーカードの保険証利用が開始しました。これにより、マイナンバーカードが健康保険証としても利用できるようになりました。当院でも、2022年11月よりマイナ保険証対応機器を設置し、マイナンバーカードを保険証の代わりとして利用できるようになりました。

マイナ保険証を持つと損!?得!?

実はマイナ保険証導入当初は、従来の紙の保険証を使ったほうが医療費は安かったのです。

しかし、2022年10月より従来の保険証よりもマイナ保険証を利用した方が医療費は安くなりました

では、どうなったのか確認しましょう。3割負担の方の実際の窓口負担を説明します。

2022年
9月まで
現在
マイナ保険証 初診時 21円 6円
再診時 6円
従来の保険証 初診時 9円 12円
再診時

つまり、マイナ保険証を利用したほうがお得ということです。また、調剤薬局でもマイナ保険証を利用することで、6ヶ月ごとにかかる費用が少しお得になります。

マイナ保険証のメリット

・マイナンバーカードと健康保険証を2枚持ち歩かずに済む

・転職、結婚、引っ越しをしても健康保険証として継続して使える

・マイナポータルで特定健診情報や診療・薬剤情報・医療費が見られる

・マイナポータルで確定申告の医療費控除の簡易化

・高額療養費制度の限度額を超える場合、限度額適用認定証がなくても医療費が免除される

マイナ保険証のデメリット

・現時点ですべての医療機関や薬局が対応しているわけではない

・個人情報漏洩のリスク

・再発行に時間がかかる


今回は保険証についてお話させていただきました。いつも何気なく使用している保険証について、少しは理解が深まりましたでしょうか。

私達が患者様に案内していることは多々ありますが、なぜそのような案内で、なぜそれが必要なのかなど、少しでも目を向けるきっかけになれば幸いです。

保険証だけでなく、それに関連することも含めると医療のルールにはまだまだ知らないこともあると思います。興味がありましたらより踏み込んでみてください。

また、医療に限らず日常の中でも、理由を知らずに行っていることや見聞きはしているが無関心だったことなど、あると思います。その中身や全体を知ることで、自分を守ることができたり、生活が変化したりするかもしれません。

少しでも皆さんの日常が豊かになればと思っています。