リスキリングって

年の瀬も迫り、そろそろ来年の目標を立てる時期になってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

2024年6月にぜんしん整形外科に転職し、診療放射線技師として日々、画像診断検査に勤しんでいる、清水 賢均(シミズ タカヒト)と申します。

さて、最近では社会人のリスキリングを推奨する企業が増えていると聞きます。私自身も医療の専門職としての認定等を所有しており、勉強会への参加、認定の更新も行っておりまして、リスキリングを実施しているものと勘違いしていました。

リスキリングの定義は、経済産業省の資料等では「既存の従業員に新しいスキルを習得させ、異なる職務や役割に対応できるよう育成すること」です。重要なのは、単なるスキルアップではなく、会社の戦略に沿った形で従業員のスキルを再構築することで、つまり、リスキリングは個人の成長と企業の成長を同時に実現する、win-winの人材育成のことです。私が行っていたことも部分的には、リスキリングだったかもしれませんが、どちらかというと“リカレント教育”だったかもしれません。病院のためというよりは、個人のスキルアップ、キャリアアップに比重を置いていたと思います。

こんな誤解もありまして、前の職場ではこれまでとは異なる学びを模索し、それも役職として病院に貢献できるものを考えていたところ、医療と経営の関係性に関心がわき2023年4月より医療経営が学べる大学に編入しました。

30年ぶりの学生生活です。

大学は私が通っていたころの専門学校とは違い、学科を計画的に選択しないといけないなど、自由で新鮮でありました。また、卒業のための単位習得ではなく、自分と病院のために必要な知識習得が目的であることが、モチベーションの維持にもなりました。

4年生での編入であり、1年間在籍し2024年3月に無事卒業しました。興味深い講義としては人的資源管理があり、職員の教育、やりがい等を組織的に計画し実施する中身ですが、若干心理学の様相があるものでした。特に人のモチベーション面では、“動機づけ要因”と“衛生要因”の2つの要因があり、動機づけはモチベーション向上に寄与するが、衛生要因は維持のみであるとのことでした。動機づけは目標設定と達成、承認(≒昇進)されたときにモチベーションが向上し、衛生要因とは向上はないものの現状のモチベーションを維持できるもの、具体的には賃金(≒年功的賃金アップ)などでありました。日ごろ何となく感じているところではありましたが、実際に理論として学べて納得できる貴重な知識でありました。これらの知識は、職場での教育計画(人材育成)、人事考課時に参考になりました。教育計画は業務の基礎となるところであり質にも影響し、盤石である必要があります。具体的に私が業務としている画像診断検査業務(部門)で質が上がれば、効率的な検査の提供が可能となるからです。効率とは必要なときに必要な検査を迅速に実施し、良質な医療体制に貢献すること、また健全な病院の収益にも貢献できることであります。これはリスキリングの目標としているところではないでしょうか。

最後になりますが、この年齢になってまた、学校に通って勉強するとは思っていませんでしたが、いやはやその実際は、意外とワクワクし、テストではハラハラして、とても有意義な1年を過ごせたものでした。刺激的で良い第二の学生生活でもありました。職場は変わりましたが、前職の経験、前述の知識を生かし、モチベーションを高められるよう現職場の仕事に取組み、楽しくやっていきたいと思います。