自転車で九州を目指そう!(後編)

立川~奈良まで走った前編はこちら → 自転車で九州を目指そう!(前編)

関西を抜ける(奈良~姫路)

奈良から山を一つ超えると、大都会大阪です。

大都市 + 朝の通勤通学時間帯 = 走りにくい!

大阪城だけ眺めて通り過ぎます。

神戸の中華街。杏仁ソフトで涼をとりました。

完成時は世界最大の吊橋だった明石海峡大橋(現在は世界2位)。自転車では通れません。巨大構造物は胸躍ります。

日本標準時子午線の碑

東経135度。もう少し北の方に行くと天文科学館もあります。

国宝姫路城。受付終了10分前に滑り込んだので混雑とは無縁でした。

前回来たときは修復中だったので、今回ようやくその美しい姿のすべてを見ることができました。

 

夕飯には明石風たこ焼きというものを食べてみます。

食べ方がわからない。どう食べるんでしょうこれ。

周りを見回して食べ方を学びます。

まず向きが違うようだ。みなさんこの向きで食べていました。

そして、たこ焼きにソースを塗って、だしに浸して食べるらしい。

……なるほど、ふわふわで美味でした。

伝統的に触れる一日(姫路~福山)

近畿地方から中国地方へ。岡山県の玄関口・備前市に入りました。

 

備前は備前長船推しが強い。

こちらの刀剣の里では、鍛冶場での刀剣作成が見学できる珍しい場所です。

古来より受け継がれてきた技と情熱が、目の前で生き生きと蘇る瞬間を目にすることができます。貴重な体験です。

 

刀剣を祀る靱負神社。静岡でお会いした靱負先生と同じ名前ですね。

小さな神社ですが平安時代から続く由緒ある神社です。
ちなみにこの刀剣は、国宝の備前長船を買い戻すクラウドファンディングの際に、支援者が備前焼で作って奉納したものだそうです。

神社のすぐには備前長船発祥の地なんてのもありました。

思った以上に備前を堪能できました。

 


備前から岡山市街へ向かって走っていると点字ブロック発祥の地、という碑を見つけました。
視覚障碍者のための画期的な発明が、ここから世界に広がっていったのですね。

そもそも日本が発明したものというのも初めて知りました。

 

さて、岡山市の中心部まで到着。日本三名園の一つ、後楽園ははずせません。


元禄時代に池田綱政が築いた日本庭園。当時の雅やかさと静謐さ伝えてる茶室や能舞台が並ぶ風景は心のオアシスですね。癒されます。

 

こちらは倉敷の美観地区
川沿いの白壁の町並み、石畳の道の雰囲気がすばらしい。

倉敷の名物かどうかはわかりませんが、昼食の鯛茶漬けは美味でした。

猛烈に暑かったので、午後は温泉でダラダラ過ごしました。暑いときは無理に走りません!

夕方に再び活動を開始し、広島に突入。日が落ちる時間帯ですが気温はいまだに30度以上。暑い

尾道(の隣の福山市)まで来たので、尾道ラーメンで一日を締めました。

しまなみ海道は走りません(福山~岩国)

尾道は、瀬戸内海の島々を通って四国に渡れる「しまなみ海道」の始点です。

本州と四国を自転車で渡れるのはこの道だけなので、日の出前でも自転車乗りの姿をたくさん見かけます。

「しまなみ海道走る方ですか」と道を尋ねてきた方もいたのですが、今回は走らないんですよねすみません。

尾道から最初の島・向島へ渡る手段その1、尾道大橋。

尾道から最初の島・向島へ渡る手段その2、渡し船。対岸まで100円+自転車10円です。

紹介だけしておきます。

瀬戸内海から登る朝日とともに、新たな一日が始まります。

「下関」の文字が出てきました。本州の終わりも近いですね。思えば遠くへ来たものです。

原爆ドーム。修学旅行生と外国人旅行者でいっぱいでした。

駐輪場には旅をしていると思われるお仲間の自転車が。似たような装備です。

ここに駐輪してなにをするのかというと、船で宮島まで足を延ばします。

宮島の厳島神社。満潮の方が「水上神殿」という感じが出て好きなのですがタイミングが合いませんでした。

宮島は穴子が名物らしいので穴子丼を頼んでみました。

本土に戻って、海沿いの道を西へ進んでいくと、

いよいよ本州ラスト、山口県!

しかしここで天気予報を見ると、西の方を通り過ぎたはずの台風が何やらおかしな動きをしています。


ウェザーニュースより

戻ってくるな!

予報通りなら台風とぶつかってしまいます。まだ夏休みに余裕はあったのですが、あと1日で一気に走って台風が来る前に帰宅することにしました。

台風が来る前にゴールする!(岩国~小倉)

岩国の錦帯橋。後ろの山の上に岩国城も見えます。

川面に反射する橋がなんとも美しい。

ちなみに、自転車をよく見ればわかるかと思いますが、バッグが一つ減っています。
野営セットや予備の衣服などを家に送り返して軽量化を図りました

身軽になった自転車で下関まで一気に走破。
本州の下関と九州の門司の間に広がる関門海峡は、平家滅亡の地・壇の浦の古戦場としても有名です。

三種の神器の一つ、草薙剣もどこかに沈んでいるはず。伝説の武器が海の底に沈んでいるというのはロマンですね。
数日前に立ち寄った伊勢神宮にある八咫鏡はここで引き揚げられたものなんでしょうか。皇居にある八尺瓊勾玉は同じものらしいのですが。

ところで、写真の後ろに見える橋は本州と九州をつなぐ関門橋ですが、自転車では通れません。
自転車でどのように九州へ渡るかというと、

エレベーターで地下まで降りて、関門橋の下にある海底トンネルを通ります。歩行者無料、自転車・原付料金20円です。

1キロほどある海底トンネルの中間地点が県境という扱いです。
これにて本州完走しました!

ちなみにこの海底トンネルはエレベーター含めて国道2号の一部です。
国内でも珍しい、エレベーター国道です。


九州の地に降り立ちました。関門海峡には剣豪・宮本武蔵が佐々木小次郎と決闘をしたとされる巌流島があります。遠くであまりよく見えませんが、たぶんこれ。

小倉城。のんびりしていると台風で帰れなくなりそうだったので、ここで最後の観光をして帰ることにします。

自転車を分解して袋に詰めて小倉から新幹線に乗りました。

行きは自転車で8日間、帰りは新幹線で5時間。

旅、終了!

毎年のことながら最後は台風に予定を狂わされているのですが、それでも事故もけがもなく良い旅をすることができました。