サウナで整う

こんにちは 理学療法士の隈部です

今回は僕が最近はまっているサウナについてお話しようと思います。

今、サウナはブームが来ていると思います。
サウナを楽しむ人のことを【サウナ―】と呼びますが、僕も流行りに乗って、ここ1年は週1程度で通っており、サウナーの端くれになりました。

皆さんはサウナというとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
熱いサウナ部屋と冷たい水風呂を繰り返し入るという我慢や暑苦しいイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

僕が、はまっているサウナはこういったものではなく、「サウナ→水風呂→外気浴」という流れをこなすことでいわゆる【整う】という感覚を得ること目的としています。
(整うとは……あくまで僕の感覚ですが、頭の中がすっきりとした状態です。心と体が解放されたような究極のリラックス状態ともいわれています 1)。)

今回のブログでは【整う】ためのサウナの入り方(あくまで主観も多く含まれます)と、サウナによる身体的・精神的効果についてお話しようと思います。

整うためのサウナの入り方

整うためのサウナの入り方としては、前述したようにセットごとにサウナ→水風呂→外気浴を繰り返すことになります。
この流れの中で大事なことは、高温・多湿のサウナのなかで温まった体を水風呂で一気に冷まし、外気浴でリラックスするということです。

外気浴に馴染みがない方もいると思いますが、屋外の休憩スペースや椅子で、休憩することです。
サウナ・水風呂と急激に体に温度変化が生じる際は、交感神経が優位な状態ですが、外気浴で休憩する際に、副交感神経が優位な状態(リラックスした状態)になるとされています。

これに関する科学的な文献を探したのですが、見つからなかったので、この間サウナに行った際に心拍数を測りながら入ってみました!

下記のグラフは、サウナに入った際の僕の心拍数の変化を表しています。

サウナに入っている間は、心拍数は安静時よりも徐々に上昇していきます。水風呂ではサウナに入っている時からは徐々に低下しますが、それでも安静時よりも高い状態が維持されます。その後の外気浴では、徐々に心拍数は安静時の状態に戻ります。僕の心拍数も教科書同様の変化を示していました。

上がった心拍数と体温が急激に低下し、交感神経優位な状態から副交感神経優位になることが、【整う】を感じることに関係しているのではないかと僕は考えています。

ここまでの話からも察することが出来ると思いますが、【整う】感覚を得られるのは、サウナに入っている最中ではなく外気浴で休憩している時になります。
僕の感覚としては、最高に気持ちの良い外気浴を過ごすためにサウナ・水風呂をこなすといった感じです。

このサウナ→水風呂→外気浴のセットを好きなセット数こなすことが、整うことを目的としたサウナの入り方になります。セットと言われると回数をこなさなければと思う方もいらっしゃると思いますが、各時間やセット数に関しては完全にお任せです。

その日の体調やその後のタスクがあるかによっても入るセット数を変化させる必要があると思います。事前にセット数を決定するのではなく、あくまでその日の自分の体調やその後の予定に合わせて時間やセット数を調整することがサウナで整うためのコツだと思います。

サウナの身体的効果

サウナは【整う】という感覚を得る以外にも身体的に様々な影響を与えます。

① 良質な睡眠が得られる

僕がサウナに関して教科書としている本1)で取り上げられている研究では、サウナに入った日は、普段の日に比べて、深い睡眠の割合が2倍近くになったとされています。
これは僕の感覚ですが、サウナに入った後(特に普段よりもセット数をこなした日)は、子供の頃に経験したプール後の授業のように眠くなります。
日本人には7~9時間の睡眠が必要とされていますが、それだけの睡眠時間を確保できていない方がほとんどだと思います。
時間を確保することが出来ないという方は、睡眠の質を上げるためにサウナを利用してみてはいかがでしょうか?
(注 時間が確保できない際の応急処置とお考え下さい。7~9時間寝ることが最も大切です。)

②様々な病気に罹患するリスクが下がる

今回ブログを書くにあたって調べたところ、「サウナには様々な疾患の罹患リスクが下がる」といった論文が出されていることも分かりました。
1つめは、心臓血管系のリスク軽減です。週に4回以上サウナに入る人は、週に1回しかサウナに入らない人に比べて、突然心臓死のリスクが下がったという報告2)があります。サウナに入ることで血圧や心拍数等が大きく変動するため心肺系に負担が掛かるとされています。(具体的には30分間サウナに入ることで中程度の強度でエアロバイクを漕ぐのと同等の負荷が心肺系にかかるとされています3)。) その結果 心臓血管系の疾病リスクが軽減するのではないかと考えます。
(注 あくまで健康な人がサウナに入っていた場合です。心臓血管疾患の既往がある方のサウナの利用については主治医にご相談ください)

2つ目は認知障害の罹患リスク軽減です。調べていて僕自身もおどろきましたが、ほとんど毎日サウナに入る人は軽度認知障害(認知症の一歩手前の段階)やアルツハイマー型認知症になるリスクが60%以上も低くなるという報告もあります。詳しい機序は未だ調査中ですが、こういった研究があることは確かです。

一気に説明してしまいましたが、ざっくり言うとサウナには、身体的に良い効果を得られる可能性が多く秘められているということです。
僕自身はまだ入り始めて1年ほどなので、長期的な効果をはっきりとは感じていませんが、仕事を病欠はしていませんので、サウナのおかげということにしておきましょう笑

サウナの精神的効果

次はサウナの精神的効果についてお話ししていきます。

サウナ・水風呂では交感神経・外気浴で副交感神経が優位になることは前述した通りです。このように自律神経が短時間で切り替わることにより体も心もリラックスできると考えます。
日常生活でストレスフルな生活を送っている人は交感神経が優位になりやすく、常に体が緊張した状態となっています。このような人ほど【整う】という感覚を得て最高にリラックスした状態を経験してみてほしいと思います。

サウナには、もう一つ精神的な良い効果があると思います。それは様々な情報からの解放です。
日常でスマホからの情報量はかなり多くを占め、常に通知に追われ情報にさらされています。SNSやスマホからの情報を自発的に遮断することをデジタルデトックスと言うのですが、サウナではこれを経験することが出来ます(短時間ではありますが)。
また、コロナ禍の影響もあり、サウナでは会話が禁止されていますので自身の思考のみに集中することが出来ます。僕の中では瞑想をしているような感覚になり、自分自身に向きあうための時間を作ることが出来ます。

自律神経の働きを整えることが出来る・内向力を高めることが出来るという2点から精神的に良い効果があるのではないかと考えています。

まとめ

今回は、僕が最近の趣味であるサウナについて紹介させて頂きました。

健康のために運動したいけど最初から苦しい思いはしたくないという方、精神的にリセットしてみたい方、このブログで少しでも興味が湧いた方、おすすめです。

一緒に【サウナー】を目指しましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

参考文献
1)人生を変える最高のサウナ術 本田直之,松尾大 KADOKAWA 2019
2) Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events Tanjaniina Laukkanen et,all JAMA Intern Med. 2015;175(4):542-548
3) The blood pressure and heart rate during sauna bath correspond to cardiac responses during submaximal dynamic exercise S Ketelhut, G Ketelhut