相撲と私

こんにちは。2022年の7月よりぜんしん整形外科立川スポーツリハビリクリニックにてお世話になっています、守重佳昭と言います。

ぜんしん整形外科の事務長をこなしつつ、週末は明治大学相撲部監督として指導をするということをしています。

この相撲という競技ですが、実は柔道などと違い数年前まで指導書なる書物がほぼ無い競技で、経験者が次の世代に自分の経験をもとに教えていくという口伝の競技でした。私自身も先輩たちの教えを必死に吸収して成長することが出来ました。

相撲の歴史

「日本における相撲の記録の最古は、『古事記』の葦原中国平定の件で、建御雷神(タケミカヅチ)の派遣に対して、出雲の建御名方神(タケミナカタ)が、「然欲爲力競」と言った後タケミカヅチの腕を掴んで投げようとした描写がある。その際タケミカヅチが手を氷柱へ、また氷柱から剣(つるぎ)に変えたため掴めなかった。逆にタケミカヅチはタケミナカタの手を葦のように握り潰してしまい、勝負にならなかったとあり、これが相撲の起源とされている。

人間同士の相撲で最古のものとして、垂仁天皇7年(紀元前23年)7月7日 (旧暦)にある野見宿禰と「當麻蹶速」(当麻蹴速)の「捔力」(「すまいとらしむ・スマヰ」または「すまい・スマヰ」と訓す)での戦いがある(これは柔道の起源ともされている)。この中で「朕聞 當麻蹶速者天下之力士也」「各擧足相蹶則蹶折當麻蹶速之脇骨亦蹈折其腰而殺之」とあり、試合展開は主に蹴り技の応酬であり、最後は宿禰が蹴速の脇骨を蹴り折り、更に倒れた蹴速に踏み付けで加撃して腰骨を踏み折り、絶命させたとされる。これらの記述から、当時の相撲は打撃を主とする格闘技であり、既に勝敗が決した相手にトドメの一撃を加えて命までをも奪った上、しかもそれが賞賛される出来事であった事から見ても、少なくとも現代の相撲とはルールも意識も異なるもので、武芸・武術であったことは明確である。宿禰・蹴速は相撲の始祖として祭られている。」

Wikipediaより

これが相撲の発祥と言われています。

この後、お祭りなどで神事としての相撲が行われて、中世では武家の軍事訓練としての相撲が広まり、江戸時代の興行としての相撲へと繋がっていきます。

現在の興行で、一日の取り組みの最後に行われる弓取り式は平安時代の相撲節会で舞人が舞ったのが発祥で、織田信長が勝者の力士に弓を取らせて舞わせたことが今の弓取り式になったとの説があり、歴史を紐解くだけでも面白い競技です。

私の相撲人生

私自身は小学生の時に町内会の相撲大会ではじめて相撲に出会いました。そこから36年間相撲に関わってきました。ここで少しだけ私の相撲人生を紹介します。

小学1年生  相撲に出会い、立川練成館に通い始める。
小学4年生  わんぱく相撲に出ることになり稽古に積極的になる。
中学1年生  明治大学付属中野中学・高等学校へ入学 相撲部へ入部
中学2年生  あまりの稽古に記憶がほぼ無い
中学3年生  全国中学相撲選手権で個人ベスト8
高校2年生  関東ミニ国体で優勝 関東大会以上で個人初優勝
高校3年生  全国高等学校相撲選手権(インターハイ)個人準優勝
大学1年生  明治大学農学部入学 相撲部へ入部
大学4年生  東日本学生相撲選手権 個人準優勝、全日本学生相撲選手権 個人ベスト8
卒業後、東京都代表として国体に出場。国体での最高成績は団体3位と個人第5位

2013年 全国選抜社会人相撲選手権大会 団体優勝

以上のような成績が主なものになります。

わんぱく相撲

小学校時代のわんぱく相撲とはあまり聞きなじみがないかもしれませんが、小学生の全国大会です。

わんぱく相撲は、小学4年生から6年生が参加し、日本国内200地区(主催青年会議所単位)の予選大会から勝ち上がり、東京・両国国技館で決勝にあたり全国大会が開かれる、小学生対象で最大規模の相撲大会のことです。

毎年4月からLOM(ロム)大会と呼ばれる、その地区ごとの予選大会が始まります。LOM大会と呼ばれるのは、各地方の青年会議所が中心になって行われ、その地方青年会議所のことをLOM(ロム・Local Organization Member)と呼ぶためです。

LOM大会で勝ちあがると、ブロック大会と呼ばれる都道府県代表を決める最終予選大会が開かれます(都道府県によっては開かれません)。ここで代表選手に選ばれると、東京の両国国技館、大相撲と同じ土俵の上で、各学年のトーナメント形式の取組が行われます。 地方大会からの参加者は、約40,000人。まさに、日本の小学生力士の晴れ舞台なのです。

JCITOKYO わんぱく相撲とはより

話は私の相撲歴に戻りますが、中学校で相撲強豪校の明治大学付属中野中学校(OBには若乃花、貴乃花、栃東、皇風などのほかアマチュア界のレジェンドも多くいます)に進んだことによって徐々に力を付けていくことが出来ました。高校最後の年は全国優勝に手をかけたが果たせず。大学での全国優勝を目指しましたが、ケガが重なり達成できませんでした。それでも悲喜こもごも充実した現役時代でした。その後2008年に明治大学相撲部監督に就任し現在に至ります。

皆さんが良く知る大相撲は相撲競技のなかでも最高峰の舞台で、私が教えている大学相撲に限らず各チームのプライドがぶつかる団体戦やその時、その瞬間にしかない学生たちの思いが伝わってくる熱い戦いが繰り広げられます。

こういった相撲も非常に楽しいので一度皆さんにも見に来てもらいたいものです。新型コロナ禍で無観客が続いていましたが、徐々に観客を入れての大会になってきていますので是非、会場での応援を宜しくお願い致します。

四股

では、最後に相撲の基本的な運動、四股について説明したいと思います。

  • 足を広めに開き、股関節を広げながら膝が90度になるところまで曲げます。
  • 右足で地面をけりながら左足に体重をかけ、左足を延ばしていきます。この時におへその下(丹田)を意識すると良いです。
  • 左足を伸ばし切ったところで右足も上空で伸ばして静止します。
  • ゆっくりと息を吐きながら右足をもとの場所へ戻す。(上げたルートを戻すように)
  • 反対の足も同じように①~④を繰り返す。

以上の繰り返しで30回~50回を目安に行ってください。連続で行うことで太もも周りの筋肉(特に裏側のハムストリングス)、体幹部やバランス感覚などのトレーニングになります。

アマチュアで100回程度、大相撲の力士で300回程度が1度に行う回数の目安です。

是非一度挑戦してみてください。