リハビリ=マッサージではありません!

こんにちは、理学療法士の原田です。
今回は『リハビリテーション』について書こうと思います。

皆さんもよく『リハビリ』という単語をよく耳にしたり、口にしたりしませんか?
『リハビリ』とは『リハビリテーション』の略称であり、英語表記では『Rehabilitation』となります。

『Rehabilitation』は『Re』(再び・戻す)と『Habilis』(適した・ふさわしい)と言う単語を組み合わせた言葉になります。
すなわち、機能回復を図ることで、『その人らしく生きること』や『人間らしく生きる権利の回復』のために行われることが『リハビリテーション』になります。

整形外科では『運動器』に対するリハビリテーションを行っています。
『運動器』とは身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称になります。

これらに対して介入することで運動機能の改善を図り、『その人らしく生きること』のサポートをすることが理学療法士の役割になります。

さて本題に移りますが、今回はマッサージに関してお話したいと思います。

 

リハビリテーション中にマッサージを行うことはよくありますが、それは単に痛みのある部位や患者さんが気になる部位をほぐしているわけではありません。

マッサージの目的は、
① 硬くなり循環が悪くなった筋肉に対して圧の変動を加えることで筋肉の血液循環改善を図ること
② 神経の通り道周辺にある筋肉および血管等に圧の変動を加えることで神経の血液循環改善を図ること
③ 筋肉や脂肪組織に対して圧刺激を加えることで筋肉や脂肪組織の動態の改善を図ること
になります。

① や②について

筋肉や神経には血液が循環しており、酸素が行き届くことで正常な機能を果たすことができます。この血液循環が何らの原因で阻害されると阻血(血流が阻害される)状態となりで筋肉自体に痛みや発生させ、神経が担当する領域(部位)に痛みやしびれを発生させたり、神経が担当する筋肉に痛みを発生させたりします。これらの病態に対してマッサージを行う場合が①、②になります。

①の筋肉が硬くなる原因としてはその筋肉が過剰に働くことが原因であることが多いですが、それはただその筋肉自体に問題がある場合と、他に問題があり結果としてその筋肉に負担が生じている場合があります。
後者の場合は原因の改善を図らない限りはマッサージをしても筋肉の硬さが戻ることが予想されるため、対症療法ではなく根本となる原因の治療を合わせて行うことが必要となります。

③について

急性炎症や慢性的な炎症、または手術後等で患部が熱を持ったり、腫れたりした場合に筋肉や脂肪組織等の軟部組織が癒着や拘縮を起こすことがよくあります。
癒着や拘縮を起こすと関節の可動域が狭まったり、痛みが生じたりします。これらの改善目的に癒着および拘縮を起こしたと疑われる組織に対してマッサージを行う場合が③になります。

患者さんから「マッサージ屋さんとは何が違うの?」といった質問をいただいたり、「マッサージはしてくれないの?」と聞かれたりすることがよくあるので、今一度『リハビリテーション』の言葉の意味や『マッサージ』の目的、対症療法ではなく原因療法を目指していることを皆さんにお伝えできればと思い、このような内容を書かせていただきました。

当然、リハビリテーションではマッサージ等のベッド上での施術だけではなく、患者さんの状態や目標に応じて、運動も行っています。今通院中でリハビリテーションを受けている方は、リハビリテーション内容の目的やセラピストがどのような意図でその治療を行っているのか、気になることがありましたら是非担当のセラピストに尋ねてみてください!


最後に、さて余談になりますが、『リハビリテーション』に従事するのは『理学療法士』の他に『作業療法士』『言語聴覚士』がいます。簡単に職種の違いについてもご説明できればと思います。

『作業療法士』とは以下のような日常生活に関わる作業能力の再獲得に向けたリハビリテーションを専門としています。

『理学療法士』と似ている部分もありますが、『理学療法士』は起居動作(寝る・起きる・座る・立ち上がる)や歩行など日常生活の基本となる動作をはじめ、投球等のスポーツにおける動作といった様々な動作の再獲得および能力向上を図ることを専門としています。

『言語聴覚士』とは『話す・聞く・食べる』ことに対するリハビリテーションを専門としています。対象につきましては以下の図をご参照ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考
https://www.pref.kyoto.jp/rehabili/rehabili.html
https://www.joa.or.jp/public/about/locomotorium.html
https://www.jaot.or.jp/ot_job/
https://www.japanslht.or.jp/what/