睡眠について

初めまして。Z−fitnessでトレーナーをしております萬徳と申します。今回のブログでは睡眠についてまとめてみました。

「よく眠れてますか?」私がよくクライアント様にする質問です。

睡眠には身体の修復のみならず、脳内の情報処理においても重要な役割があることはよく知られるようになりました。特に不快記憶の処理は健やかな日常を送る上で重要な要素で、適切に行われなかった場合うつ病や不安障害といった精神不調のリスクが高まるとされています。

睡眠にはまぶたの下で眼球が高速で動くレム睡眠と動かないノンレム睡眠があります。これらはそれぞれに下記の重要な役割があります。

ノンレム睡眠;肉体の回復(深い眠り)
レム睡眠;記憶の整理(浅い眠り)

これらの睡眠パターンは交互に発生しており、おおよそ90分周期で繰り返されます。十分な睡眠時間を確保している場合、一晩で3から5回この周期を繰り返すこととなり、睡眠の後半になるにつれレム睡眠の占める割合が増えることがわかっています。

テスト前に一夜漬けをしようとした時、「仮眠は1時間半単位で行うと良い」といわれるのは睡眠の1周期を考慮しているためであると考えられます。確かにこの周期のうち眠りが浅くなるタイミングで目覚めれば、比較的スムーズに活動に入ることができます。しかし記憶の整理が必要なテスト前の段階で、レム睡眠の割合が少ないのはいかがなものかと考えることができるわけです。不快記憶の処理が十分に行えず、テストに対する不安感が解消されない可能性も大いに考えられるのではないでしょうか。更にテストに必要な知識の整理も上手くいかず踏んだり蹴ったりとなる可能性も否めません。逆を考えれば睡眠時間の確保こそテスト突破への近道であるとも考えられ、学習予定表に睡眠時間から書き入れていくのが健全ですね。

一方肉体を回復させるノンレム睡眠ですが、 面白い研究があります。

  • ① 運動をしない人
  • ② 午後に運動をした人
  • ③ 夜間に運動をした人

この3つのグループを比べたところ、「②午後に運動をした人」のみがノンレム睡眠の割合を増やす結果となったというものです。就寝直前の運動は睡眠効率の低下を招く可能性があるものの、活動的な午後を送ることで良い睡眠をとることができるということです。長期的に運動を習慣化することでノンレム睡眠の割合増加がみられるということも分かっており、夜中に何度も目が覚めてしまう方こそ日中の適度な運動が効果的です。

何かと睡眠時間が確保しづらい世の中ですが、一度思い切って早い時間に床についてみてはいかがでしょうか。

※ Baekeland F. et al : Exercise and sleep patterns in college athletes. Percept Mot Skills 23 : 1203-1207, 1966