テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
テニス肘とは
テニス肘とは、正式名称を「上腕骨外上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」と言います。物を持つときや手首を捻る動きで「肘の外側」に痛みが生じるのが特徴です。
テニス肘という名称ですが、テニスをされている方のみでなく日常生活でよく手を使う作業をされる方も発症することがあります。
なぜ痛みが生じるの?
テニス肘では、手首を反らせる筋肉を使いすぎることで肘の外側に負担が生じて痛みにつながります。発症しても約90%は6ヶ月以内には完治すると言われており、予後は良好です。しかし、その反面、普段の生活で肘を酷使する方やスポーツにおけるラケット動作が不良な方は、安静にして痛みが一時的に消失しても再発して症状を繰り返す可能性があります。
どんな治療をすれば良いのか
基本的には適切な安静を保つことが最重要です。安静に保つことが難しい方もいますが、その場合でも痛みに対しての管理をしっかり行うことが大切です。肘の外側が熱っぽい場合は、炎症が強いためにアイシングをしましょう。また、生活場面において重い物を持つ際には「両手で持つ」「物を下から持つようにする」「エルボーバンドを使用する」など肘に負担をかけないようにしましょう。
当院では超音波検査装置を用いて、炎症の状態に応じてステロイド注射も行い症状の緩和を図っています。リハビリでは、硬くなった肘周りの筋肉の柔軟性を高めることを中心に行います。痛みが長引き、なかなか改善しない場合は体外衝撃波の治療や手術も検討します。
肘だけでなく身体の使い方も変える
筋肉をほぐすリハビリのみで症状が改善する方もいますが、テニスなどのラケット競技をされる方は打球フォームを変えることが根本的な解決になります。親指側で握ると手首の固定が不十分なために肘へ負担が生じます。そのため、薬指や小指側でしっかりとラケットを握って動作が出来るようにすることが大切です。また、手打ちにならないように背骨の動きや肩甲骨の安定性などカラダ全体をしっかり使えるように動きの修正も図ります。