グロインペイン症候群

グロインペイン症候群とは

サッカーやラグビーといったスポーツ選手における鼡径部周辺部痛は様々な部位に発生し、それらをまとめてグロインペイン(GP)と言います。

また、日本でのGPの権威である仁賀Dr.は「何らかの理由で生じた全身的機能不全が鼡径周辺部の器質的疾患に関与し,運動時に鼡径周辺部にさまざまな痛みを引き起こす症候群」をグロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)と定義しています。

これらに対してMRI の病変につながる機能不全を改善することが重要と述べています。

どんな症状が出るの?

ランニングやキック動作といった鼠径部に力を入れる際に痛みを生じ、悪化すると起き上がりや立ち上がりや階段昇降といった日常生活でも痛みが生じるようになります。

原因は?

グロインペイン症候群は、キック動作やダッシュなどにより「股関節に過度な負荷が生じること」で発症します。

原因として、背骨や股関節周りの筋肉が硬いこと(可動性)や体幹(特に下腹部)の安定性低下、上半身-体幹-下半身の協調性低下が挙げられます。

どんなリハビリをするの?

サッカーにおけるキック動作では身体を弓のようにしならせることで力を生んでおり、痛みのある部位のみでなく全身の動きを改善することが重要です。

そのため、まずは身体の土台として必要な「背中や股関節や上半身の可動性の確保」「体幹を中心に身体の軸の強化」、またサッカー選手では上肢と下肢を連動させたクロスモーションを意識したキック動作の習得などスポーツ動作をしっかり改善します。

その上で、全身のパフォーマンスを高めて股関節に負担をかけない動きを目指します。

全身的機能不全に着目し介入を行った高校アメリカンフットボール選手
(難治性グロインペインの一症例より引用)