内側側副靱帯損傷とは?

内側側副靱帯は膝の内側に存在する靭帯です。

主にスポーツ動作中に発生することが多く、損傷の程度によって手術療法と保存療法が選ばれます。

膝関節の内側に痛み・腫れ・熱感が生じ、体重をかけた際の不安定感も症状として出現します。当院では診断として、超音波画像診断装置を使用しますが、正確な診断にはMRIが推奨されています。

内側側副靱帯が起こりやすい動き

ジャンプ着地やストップ動作、急激な方向転換の際に膝が内側に入る(外反)と靭帯に過度な伸ばす力が加わって断裂します。

また、膝を過度に伸ばす(過伸展)ことや捻る(外旋)することでも断裂に至ることがあります。

断裂した靭帯を放置して、十分な機能がない状態でスポーツを続けると、半月板損傷などの二次的な怪我に繋がります。

競技復帰までの期間

競技復帰までの期間は靭帯損傷の程度によって変わります。

下図は参考になりますが、個人差があります。

 

治療の進め方

Ⅰ〜Ⅱ度損傷では保存療法、Ⅲ度損傷では手術療法が選択されることがあります。

いずれにおいても、まず行うべきは「炎症管理」です。損傷した組織が正常に戻るまでに必ず生じる現象ですが、不必要に伸ばすような刺激を与えてしまうことで長引いてしまいます。それにより痛みが残ったり、靭帯が緩んだ状態で繋がってしまい不安定感が出てしまいます。

炎症や痛みが落ち着くのに合わせて、膝の曲げ伸ばしを行ったり、筋力トレーニングを進めていきます。最初は体重をかけずに行い、状態に合わせて体重をかけて負荷を調整しながら実施していくことが大切です。最終的にはスポーツ動作に合わせた運動を実施して、不安感を取り除いたり再発を予防します。

これらを損傷の程度に合わせて、リハビリ進行の時期を判断していくことでスムーズなスポーツ復帰をサポートします。