理学療法士について
こんにちは。
理学療法士の藤田です。
今回のテーマは「理学療法士について」です。皆さんに少しだけ理学療法士について知ってほしいと思いこのテーマにしました。
普段病院やクリニックでは診察で症状に応じて注射をしたりお薬もらったりすると思います。病院によって超音波や低周波など物理療法のみの場所もあれば、当院のように理学療法士が患者様に合わせてリハビリテーションを提供できる整形外科もあります。
理学療法士は、主に身体に障害のある人に対して身体運動機能回復や維持、向上を図って日常生活、スポーツ活動を送れるようにリハビリテーションしていきます。
理学療法士は身体の専門家です。リハビリテーションではまず評価で身体の状態を把握し問題点の見極め、治療方法を考えます。
客観的評価ではHOPSの考え方があります。
問診(History)・視診(Observation)・触診(Palpation)・スペシャルテスト等(Special test)です。
HOPSとはどんな流れなのか、、、
問診(History)
まずは大まかに以下の項目を“問診”で確認していきます。
・主訴
・日常生活上で困っている動作確認
・日常生活上での痛みの出る動作確認
・きっかけ
・いつからの症状か
・既往歴
(・スポーツ動作時の症状確認)
大事なのはまず問診、患者さんの言葉を傾聴することです。診察室では考えがまとまらず医師にうまく聞きたいことが聞けない患者さんもたくさんいるため、初回リハビリでは状況把握のために問診が長くなることもあります。ただリハビリの時間も限られるので、治療しながら問診したりお話を伺ったり適宜対応しています。
また患者さんの生活環境や競技レベルによって聴くことが変わります。
視診(Observation)
次に“視診”を確認していきます。
・腫脹、腫れ
・発赤
・アライメント、変形
・患部の左右差
・可動域
・歩行動作
・疼痛動作、エラー動作
・スポーツ動作
視診とは診(み)て確認することです。患部の炎症状態や左右差、動作を確認して主訴につながりがあるものをピックアップしていきます。
触診(Palpation)
次は“触診”です。
・熱感、腫脹
・変形
・可動域
・筋力
・筋緊張
・圧痛
触診では視診だけでは分からないところを触って患部の状態を確認していきます。圧痛は患部の鑑別や筋肉の状態を細かく見極めるために重要な項目です。(難しい)
スペシャルテスト(Special test)
次に“スペシャルテスト”を確認していきます。
・主訴の再現
・疼痛動作の再現
スペシャルテストは問診・視診・触診をもとに患部にあえて負担をかけて症状の確認や損傷部位の特定をしていきます。患部にストレスが加わることがあるため痛みを伴う場合がありますが、状態把握のためには必要になります。部位によって行うテストは変わってきます。
「リハビリテーション」は一般的には“リハビリ”と略され、その語源は、ラテン語で“habilis“「人間らしい」に“re”「再び」をつけて、「再び人間らしく」という意味になります。評価で得た情報をもとに治療方法や治療プログラムを考えていきます。患者さん一人ひとりのリハビリのゴール設定を行い、再び元の生活に戻れるようにしていきます。
理学療法士が整形外科にいると、一人ひとりの患者様に合わせて問診や治療を行うため、治療の選択肢が広がっていきます。ロボット(AI)には代わることができない職種ですね。当院では診察でリハビリが必要と判断された患者様に対し症状にあわせて理学療法士が20分-40分でリハビリを行います。
理学療法士がロボット(AI)に代われない強みの一つが、1単位20分の中でしっかり問診(傾聴)できることです。またその問診をもとに症状を確認するための評価を行います。診察室では時間がなく言いにくかったことや聞けなかったことも、リハビリの時間に理学療法士との問診を通じて確認することができます。
前半で書いた評価もそうですがその場の状況に応じてコミュニケーションをとり、主訴の解決のために必要な要素を判断していくためロボット(AI)には難しいですよね。
あともう一つロボットに代わることのできることができない要素、手の温かさ。
実際、理学療法士は人工知能やロボットにより仕事が自動化する可能性が低い職業100の職業にランクインしています(2013,Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne)。
AIによって自動化する可能性(%) | 職業名 |
98% | スポーツの審判 |
96% | レストラン料理人 |
89% | タクシー運転手 |
68% | 歯科衛生士 |
64% | 裁判官 |
47% | 臨床検査技師 |
18% | パイロット |
17% | 消防士 |
8% | 保育士 |
4% | 獣医 |
2% | 理学療法士 |
1% | 薬剤師 |
1% | 看護師 |
0% | 臨床心理士 |
0% | 小学校教員 |
0% | 作業療法士 |
そんな理学療法士は国家資格で、Physical Therapist(PT)と呼ばれている身体の専門家です。
理学療法士法で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。と定義されています(理学療法士及び作業療法士法 第2条)。
理学療法士は怪我や病気をしてしまった患者様に対して、基本動作能力(立つ、歩行など)の回復や障害予防を目的とし、自立した日常生活を送れるように運動指導などの運動療法や物理療法を行っていきます。
理学療法士の活動の場は、主に病院、クリニック、介護保険関連施設などです。またスポーツ現場ではアスレティックリハビリテーション(アスリハ)や競技動作指導、怪我の予防を行うこともあり様々な場所で活躍しています。また当院では介護予防の講義や野球肘検診などの課外活動も行って地域に根差した活動もしています。
当院は多数の理学療法士がいるため、患者様の目標やゴールに対するアプローチ方法もたくさんあります。理学療法士によって治療方法が違っても目指すゴールは同じです!一緒に乗り越えられるようにサポートします!