MERRY CHRISTMAS
まもなくクリスマスですね!
クリスマスと言えば、クリスマスケーキ!
皆様は手作り派ですか?購入派ですか?
実は私、昔パティシエをしておりました。笑
最近は作りたいけど、めんどくさくなって買う派です!笑
真っ赤な苺のホールケーキも良いですが、有名なのはブッシュドノエルですよね!
日本語にすると「クリスマスの薪」って意味です。
諸説ありますが、田舎の風習を守るためにパリのお菓子屋が作ったとか。
ユールの丸太の火 が燃え続けていれば1年は幸せになれるとも言われています。
ユールとは、、スウェーデン語でクリスマスという意味です。
クリスマスの日には丸太の火が消えないように、太い丸太を準備するそうです。
丸太に火を付けるのも大変そうですけどね、、
ブッシュドノエルは分かりやすく 言うとチョコのロールケーキです。
ロールの部分が切り株の年輪に見えますよね!
ケーキの生地を作るには主に2つの方法があります。
有名なのは共立て方と言って、卵の卵黄と卵白を共に泡立てて作るもの。ジェノワーズと呼んだりします。
もう一つは別立て方と言って、卵黄と卵白を別々に泡立てて作るもの。ビスキュイと呼んだりします。
これらは用途によって使い分けをします。
共立て方……生地がしっとりとしていて生クリームと相性が良い。一般的にホールケーキに使用されます。
別立て方……卵の風味が良く感じられてふわっとした軽い食感。ティラミス等に使用されます。
実は、別立て方で作ったスポンジケーキにはコシがあって千切れにくいという性質があります。
この性質によって、ケーキをフォークで切ろうとした時に切りづらいというデメリットがあるため共立て法でスポンジケーキを作ることが多いのではないかと思います。
まとめて泡立てるのでいろんな意味で楽なんですよね~。
卵黄と卵白を別で泡立てるとなると、その分体力も時間も使います。
メレンゲは水分一滴で失敗の原因にもなりますので、調理器具は使用前にはしっかり水分を取ってからでないと使用は出来ません。これは製菓の基本くらい大事なことです。
卵白を泡立てる時は人肌くらいの温度が好ましいのですが、単純に卵黄を一回泡立てて、また卵白を泡立てる、、私は面倒くさくなってしまいます。笑
ケーキの土台としてスポンジケーキを焼くときには共立て方が一般的と書きましたが、別立て方で作ったスポンジケーキにはコシがあって千切れにくいのでこちらはシロップを打つ事で改善されます。なのでティラミスで使用されるのはビスキュイが多いですね!
あとは逆にその食感を活かしたブッセや、シャルロット等が多いかなと思います。
目的や材料によって泡立てに適した温度が違います。
ガトーショコラのメレンゲとチーズケーキのメレンゲで例えます。
ガトーショコラはチョコレートを溶かして生地を作るのですが、冷たいメレンゲと合わせるとチョコレートが固くなり、混ぜ合わせる時間も手間も増えてしまいます。せっかく泡立てたメレンゲの空気が壊れてしまい、ふわふわ感が無くなってしまいます。
チーズケーキはほとんどが冷たい材料か常温の材料を使うので冷たく冷やしたメレンゲの方が安定したメレンゲでふわっとした仕上がりになります。
ジェノワーズの場合は湯煎しておいた溶かしバターを使う工程があり、冷たい生地ではないのでので卵白は常温が好ましいかなと思います。
常温の卵の方が泡立ちやすいのですが、表面張力が減り粘度が低くなるので持続性は減ってしまいます。
冷やした卵は泡立ち辛いですが、その分粘度が上がるので壊れにくいです。
ケーキ、、作ったことがある方も多いと思いますが、、
とても奥が深いです。
1グラム、0.1 グラムが大事だったり
1度、0.5度が大事だったり。
もはやちょっと面倒くさいですよね笑
メレンゲをどこまで固く泡立てるかも、その次に合わせる物の固さによって変えます。
ガトーショコラならしっかり固めまで泡立てる。
チーズケーキならチーズ等を合わせた生地と固さと同じくらいまで泡立てる。
こちらもどちらか一方が固い、もう一方が柔らかい、となると2つが綺麗に合わさるまで手数が増え泡が壊れるからです。
同じくらいの固さの方が素早く合わせる事が出来ます。
新人の頃は手際良く出来ないものですから、生地が死ぬ!(泡が壊れる)と良く脅されていました笑
「生地が死ぬ」はパティシエなら誰もが言われたことのある、あるあるフレーズです笑
とても繊細なケーキ達ですが、クリスマスのシーズンは世の皆様がケーキをお買い求めになるので、パティシエ達は必死です。
クリスマスの花、クリスマスケーキ。クオリティを落とさず、大量生産。神経を研ぎ澄まして、数多くのケーキを仕上げています。
ちなみに私がいたケーキ屋では地元で有名なケーキ屋さんだったのでとても忙しかったです。12月に入ったら予約分以上のジェノワーズを各サイズ、各種類ごとに100台以上焼き、冷凍トラックに全て一度冷凍をかけていました。
予約分プラス店頭販売分ずつ冷蔵庫解凍し、前日に全て仕上げる。もちろんショーケースの小物ケーキ達も作ります。シュークリームは作り置きの出来ない物、当日のみなので合間を縫って焼き上げます。なのでパティシエは泊まり込みで働きます。家には帰れません。軽く仮眠を取ってケーキを作ってました笑
今なら笑って話せますが冷蔵庫でケーキを仕上げる事も多々ありましたし、火傷は普通ですし、カスタードを炊く時は数十リットル。もはや汗だくです笑
かなりの重労働でしたがお客様の笑顔にはかないません!
今年も一年がんばったなーという誇りです。やりがいのある仕事でした!
そんな気持ちで今年を締め括って来年も素敵な一年になれば良いと思います。
みなさま来年もよろしくお願い致します