野球肘を防ぐために必要なトレーニング(上半身Ver.)

皆さん、こんにちは!理学療法士の加藤です!

さて、今回は皆さんもよく耳にする「野球肘」についてです。

・肘が下がっているとよく言われる
・投げ方がぎこちない
・肘に痛みがある

そんな悩みを抱えている選手、また野球指導者の方に必見の内容です(*^-^*)

野球肘とは?

野球肘とは名前の通り、野球における投球動作を繰り返し行うことで生じるスポーツ障害です。

野球では、野球肘を代表として繰り返しのストレスによるケガが多いのが特徴です。

痛みの生じる部位は肘の内側が多いですが、外側や後ろ側にも生じることもあります。

原因は、投げ過ぎによるオーバーユースや投球動作のクセにより肘へ過度な負担をかけていることが考えられます。

野球肘が生じる仕組み

投球時は肘へ大きな力が加わります。

特に小・中学生のカラダがしっかりとしていない時期では、「肘下がり」「手投げ」と言われるフォームで投げる選手の肘への負担はかなり増加します。

そのため、安全なフォームを確立することがとても重要になります。

肘に痛みのある選手の多くは、投球時に胸を張って肘を後ろに引いた状態からボールをリリースするまでの間に痛みが生じます。

投球時は、肘が外方向に引っ張られる力が生じます。

これにより、肘の内側にある組織(靭帯や筋肉など)は引っ張られるストレスが加わり、外側や後ろ側では骨と骨の圧迫や擦れるストレスが加わります。

このストレスが繰り返し加わることで、肘の痛みにつながってきます。

肘のセルフチェック

肘に痛みなどの不調を抱えたまま投げ続けると、復帰までの期間を長引かせてしまう恐れがあります。

自分の肘を定期的にチェックして、おかしいと思ったら早めに医療機関で見てもらうことが大切です。

そこで、自分でかんたんに出来る肘の状態を確認する方法をお伝えします。

<チェック項目>

①肘の曲げ伸ばしに左右差がないか
②痛みの場所に圧痛があるか(指で押したときの痛み 左右差を確認)
③いつもと肘や投げるときの調子がおかしくないか

チェック項目の①・②に極端な左右差がある場合は、一度医療機関で骨の状態など診てもらいましょう!

③に関しては、安静にしても症状が変わらない場合や練習を続けていて症状が変化しないもしくは悪化する場合には、まずは医療機関で診てもらうことをおすすめします。

投げるときのポイント(上半身編)

さて、ここからは肘に負担をかけずに投げるポイントについてお話します。

「肘が下がっていると良くない」
「投げるときは全身を使うことが必要」

ということを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

確かに、肘下がりを良くすることや全身を使えるようにしていくことが肘への負担を減らすために重要なことです。

しかし、

「肘が下がっているから肘を上げろ」
「全身を使って投げろ」

という指導だけでは、なかなか子供たちのフォームは改善しません。

むしろ、腕が力み過ぎて余計に肘が下がってしまうことや、投げるフォームがぎこちなくなる場合もあります。

投げる際には、背骨と連動しながら肩甲骨が動くことが大切です。

基本的に、投げる際にボールに力を入れる瞬間はリリースのみです。

それ以外は、腕にそれ程大きな力を入れていません。

背骨の動きに連動して腕がムチのようにしなれば、自然とパワーが生まれます。

ムチのように腕をしならせるためにも、背骨と連動しながら肩甲骨がしっかり動くことが重要なポイントです。

まずは、投げる際の大事なポイントを知りその部分に対してしっかりストレッチやトレーニングをしましょう!

トレーニング方法

今回のブログでは、上半身のみに着目してセルフケア方法をお伝えします!

まずは、腕をムチのようにしならせるためにも身体の土台となる背骨や肩甲骨の動きを引き出しましょう!

特に重要なのが、「背骨(胸)の反らし」「肩甲骨の後傾(こうけい)」という動きです。

では、これらの動きを引き出すストレッチ方法をお伝えします!

背骨そらし
四つ這いになり、背骨を反らせます

胸伸ばし
四つ這いになり、腕を横において上体を反対側にひねります

ストレッチにて動きを十分に引き出したら、次に肩甲骨周りの筋力をしっかり強化しましょう!

肩甲骨周りの筋肉で投げる際に重要なのが「僧帽筋下部(そうぼうきんかぶ)」「前鋸筋(ぜんきょきん)」という2つの筋肉です。

これらの筋肉をトレーニングする方法です。

スーパーマン
うつ伏せで両手バンザイをシて状態を反らせます

腕プッシュ
四つ這いから両手で地面を押しながらお尻をあげます

背骨や肩甲骨のケアに加えて、最近では手指の機能を高めることが肘への負担を減らすために重要と言われています。

実は、手指の筋肉は肘の内側まで存在しています。

そのため、肘の内側にある靭帯への負担を緩和してくれたりします。

指の筋肉の柔らかさを保ちつつも、しっかりと力強く働くようにトレーニングする必要があります。

指はじき
一本一本、指を反らせてはじきます

指トレ
ソフトボールくらいの大きさのボールを真上に投げてキャッチします

小・中学生の時期は投球フォームの指導をするより、トレーニングやストレッチを通してカラダ作りをしていくことが大切です。

 最後に

長文になってしまいましたが、まだまだ書き足りません(笑)

もっとお伝えしたいですが、あんまり情報量が多くても実践しづらくなると思いますのでこの辺で!

次回は、下半身のストレッチやトレーニング方法をお伝えしていきます!お楽しみに(*^-^*)

肘を怪我した選手がスムーズに現場で全力投球出来るようになるまでクリニックで最前を尽くしていきます。

また、肘を怪我する選手が減るように肘検診の活動も続けていきますので今後も宜しくお願いします!