ハワイのお話 ~~ フラ後編 ~~

金木犀薫る秋の気配から、一気に冬の寒さも感じる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

前半では、アウアナ(現代フラ)やカヒコ(古典フラ)、音楽や楽器、衣装やレイ等についてご紹介しました。後半は、更にディープな世界をご案内したいと思います。

振り付け・ステップ

フラは、情景、歴史、自然現象、恋愛、子孫繁栄、祈り、、、など、さまざまな物語を表現します。

 

自然や場所、感情などをハンドモーションで表すのが特長で、花・雨・風・波…等々、たくさんの動きがあります。ハンドモーション以外にも、ステップを踏みながら全身を使って踊ります。

流れるような動きのアウアナ(現代)、迫力あるカヒコ(古典)による基本的な違いはあるものの、優雅に見えるアウアナも大地を感じながらしっかりとステップを踏んでいます。
特にカヒコは、大地により近い位置でステップを踏むアイハア(ʻaihaʻa)というスタイルで踊るので、かなりハードです。

ハラウ(教室)によって同じ曲でも振り付けやステップに違いがあるのも面白い一面です。

【Merrie Monarch Festival Hi-Lites 2018 – Hoʻi Hou】2018年メリーモナークフェスティバルより

 

【Merrie Monarch Festival Hi-Lites 2019 – Hoʻi Hou】2019年メリーモナークフェスティバルより

*メリーモナークフェスティバル:毎年ハワイ島ヒロで開催される最も権威あるフラの祭典で、イースターサンデーから1週間開催されます。一時期禁止されていたフラを復活させた19世紀ハワイ王国時代のカラカウア王を讃えMerrie Monarch(陽気な王様)が名前の由来となっています。昨年は新型コロナウイルスの影響で開催されませんでしたが、今年は無事開催されました。

自然・文化・歴史

ハワイでは、古来よりその豊かな自然の恩恵を受けながら、森羅万象すべてのものに神が宿ると考え共生してきました。


雨や風だけでも、200種類以上のハワイ語があると言われていることからも、ハワイアンに優れた自然への洞察力があることがわかります。

自然への感謝や畏怖を踊りという形で神々に捧げ、昔は文字を持たなかったハワイアンの祖先が、歴史や自然現象、叡智等を後世に伝えるべく代々伝承してきた踊りがフラなんです。
大地と繋がり、遠い記憶が甦るような不思議な感覚と、人間も大いなる自然の一部であることを実感できるはずです。

ハワイ語・神話

フラと共に、ハワイ語のメレ(mele)やオリ(oli)と呼ばれる詠唱や祝詞によって、歴史や文化が大切に受け継がれてきました。
実は、フラを踊ったり、ハワイ語を使用することが禁止されていた時期があったそうです。

 

現在ハワイでは、英語とハワイ語が公用語となっていますが、ハワイ語のネイティブスピーカーは減少しており、フラがハワイ語の文化を未来に残していくという役割も担っています。
カヒコ(古典)では、特にこのハワイ語が重要とされ、ダンサーはハワイ語を唱えながら踊ることが殆どです。
クムフラ(kumu hula)と呼ばれるフラのマスターが唱えるチャンティング(chanting)は、その場の空気が一変するようなバイブレーションがあります。ぜひ皆さんにも聴いていただきたいです。

また、ハワイにはたくさんの神話や伝説があります。

*ハワイ島ハレマウマウの火口

ハワイ島ハレマウマウ(Halemaumau)の火口に住んでいると言われている火の女神ペレ(Pele)や、ディズニー映画『モアナと伝説の海』にも登場した、島々をつりあげたとされる半神半人のマウイ(Maui)他、たくさんの神が存在します。

モアナと伝説の海|映画/ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式

ペレをはじめ、フラの中では度々魅力的な女神が登場します。

クムフラ・ハラウ

ハワイのモロカイ島やカウアイ島が発祥の地とされるフラですが、ハワイのみならず、日本を含め世界中でフラを学んでいる人がいます。


フラは一人でも踊ることはできますが、ハラウ(hālau)と呼ばれる教室に所属している方も多く、クム(kumu)と呼ばれるフラの先生の元、時に家族のように身近な存在として、仲間と一緒に切磋琢磨しています。


わたしが最初に通った教室の先生は、85歳を越えた今でもオアフ島でフラを教えていらっしゃいます。長年続けることができるのも、クムや仲間の存在が大きいことを改めて実感するコロナ渦でした。

・・・続く・・・・

いくつかご紹介してきましたが、まだ学びの途上でその魅力は到底計り知れません。
私自身はカヒコ(古典)の世界に出会えたこと、クムや仲間と一緒にその奥深い世界を探求していくことができる愉しさ、そして日本とハワイの多くの共通性に共感できたことが、フラに魅了され続けている理由だと思っています。

最近では、日本でもハワイのイベント等で、アウアナ(現代)だけでなくカヒコ(古典)を観ることができる機会も増えてきました。
ぜひ皆さんも、その鼓動や迫力を肌で感じ、フラの真髄に触れてみてはいかがでしょうか?

一部写真出典:「Digital Archives of Hawaiʻi」「photoAC」「Pexels」