変形性膝関節症 Part2 ~変形性膝関節症の疼痛について~

こんにちは!

理学療法士の安田です。

前回は変形性膝関節症概要をお伝えしました。

今回の内容は前回の時に告知した変形性膝関節症(以下、膝OA)の痛みについてです。

前回の内容を確認したい方は下記からご覧ください。

変形性膝関節症 Part1

 

さっそく本題に入りたいと思いますが、正直今回の内容は難しいです!

医療用語がたくさん出てきます…

ですが、頑張ってかみ砕くので最後まで見てください。

変形性膝関節症の痛みを発している組織

では、始めていきます。

膝OAの痛みを発している組織はズバリ7つあると言われています。

その組織は以下の図に載っている組織になります。(図1)

図1 膝OAの痛みを発している7つの組織

(山田英司「変形性膝関節症の保存法」より)

これらをすべて説明していると長くなってしまうので私が臨床でよく目にする組織を2つ紹介します。

膝蓋下脂肪体

1つ目は膝蓋下脂肪体です。

膝OAの中でも最も痛みを多く発している組織になります。

膝蓋下脂肪体についても過去に紹介しているため確認したい方は下記からご覧ください。

膝の痛みについて

膝OAでは関節内で炎症が起こり、その影響で膝の組織が硬くなってしまいます(繊維化)。この変化によって、膝蓋下脂肪体が果たす衝撃吸収の役割が減少し、結果として痛みが起こりやすくなります。

また、脂肪体は膝を曲げたり伸ばしたりするときに関節内を多く移動する組織です。この組織が繊維化すると、しゃがみ込んだり、立ち上がったりするときに大腿骨と脂肪体の間で摩擦が強くなり、痛みが起こりやすくなります。

滑膜および関節包

次に滑膜および関節包です。

その前に関節包と滑膜とは??となると思います。関節包とは関節を袋状に包み込んでいる組織のことです。滑膜とは関節包を覆っている薄い膜上の組織です。滑膜の役割は関節液(滑液)の生産、関節の潤滑、関節の安定化などです。(図2)

図2 肥厚した滑膜および関節包

(山田英司「変形性膝関節症の保存法」より)

また、滑膜は膝蓋下脂肪体と同様に多くの痛覚神経が存在しています。特に内側がみを感じやすいです。

膝にとってはとても必要な組織ですが、関節内で炎症などが起きてしまうと滑液が異常に増えてしまいます。

よく患者さんから水が溜まるけどこれって何?と聞かれます。それがこの滑液になります。

滑膜や関節包は痛みだけではなく炎症の修復過程で繊維化が生じ、硬くなり可動域制限にもつながると言われています。そのため、五十肩のように改善に時間がかかります。

なので、少しでも膝に痛みが出て症状が続く場合は早めに受診をしてリハビリをすることをお勧めします。


難しかったと思いますが最後まで見ていただきありがとうございました。

気になることがあればいつでも聞いてください。

参考文献:山田英司 変形性膝関節症の保存法 運動と医学の出版社