オスグッド・シュラッター病

皆さんこんにちは、理学療法士の安田です。

今回はオスグッド・シュラッター病についてお話しします。

部活をやっていた中学高校時代にこの診断された方や、病名は聞いたことがある方も多いかもしれません。

オスグッド・シュラッター病とは成長期に好発する膝関節の疾患の一つです。

図1の赤丸で囲んだ脛骨粗面というところが成長期の時期は成熟していません。ここに負荷の高いストレスが加わることで痛みが生じる、これがオスグッド・シュラッター病です。


図1

 

脛骨粗面の成熟度はレントゲンで下記の分類に分けられます。図2のB・Cにオスグッド・シュラッター病を発症することが多いと言われています。


図2 Ehrenborg分類
A:cartilaginous stage / B:apophyseal stage / C:epiphyseal stage /D:bony stage

主な症状としては脛骨粗面への圧痛・腫れ・熱感・運動時の痛みになります。

発症年齢は8歳から15歳でスポーツを積極的に行っている子供に多いです。

バスケットボール・バレーボール・サッカーといった膝を酷使するようなスポーツで生じやすいです。当院でもオスグッド・シュラッター病と診断された中でも上記のスポーツをしている子が多いです。

主な原因は、

  • 過度な練習量
  • 身長が伸びた
  • 膝関節以外の関節が硬い
  • 動作不良

などと言われています。

リハビリを受けているときにセラピストから「身長伸びた?」「身体硬いね」と言われていることが多いと思います。

私自身も聞くようにしています。ただ、個人的に重要視しているのが膝関節はもちろん膝関節以外の柔軟性と動作です。

その理由が、オスグッド・シュラッター病は上下の関節に影響されやすい関節と言われているからです。

股関節周囲(主にハムストリングス)の柔軟性と足関節の柔軟性が低下している状態でスクワット動作をすると図3のような姿勢になりやすくなります。これは骨盤が後ろに倒れ重心が後ろにある状態となります。この姿勢での動作が多くなると大腿直筋という筋肉に過度な伸長ストレスがかかるようになります。大腿直筋は脛骨粗面についており成熟されていない脛骨粗面への負荷が大きくなるため痛みにつながります。


図3

リハビリとしては初発の症状であれば1~2週間安静にさせアイシングなどを指導します。

セルフエクササイズとしては股関節周りや足関節周りの柔軟性向上目的のストレッチを指導します。1~2週間後、圧痛・熱感・大腿直筋の伸長時痛がなければ膝関節のストレッチや筋力トレーニングや動作指導・ジョギングと段階的に開始していきます。

今回は私自身がよく指導するストレッチ(KOBA式 体幹☆バランス)を紹介して終わりにしようと思います。

大殿筋


フォームを作ります。

図のように体を膝に近づけます。(この時、姿勢を正して胸を突き出すように近づけます)

ハムストリングス


フォームを作ります。(膝を曲げてでもしっかり両手で足裏を持つようにします。)

ハムストリングスを意識して息を吐きながら状態を倒します。

腓腹筋


フォームを作ります。

くの字を作るようにお尻を上に持ち上げます。同時にかかとを床に付けるようにします。

四頭筋


下側になる脚はしっかり90度まで曲げる。上側の足首を軽く持ち股関節を後ろに伸ばした状態にする。(腰は反らない様にする)

図Aの姿勢から踵をお尻に近づける。(前側が伸ばされているのを意識しながら行う)
ストレッチ時間はフォームを作ってから3秒で伸びてる感じがあるところまで動かし7秒キープを3セットするようにしてください。

最後に、オスグッド・シュラッター病は我慢せずに早期に病院を受診しハビリをすることで症状を長引かせることなく改善していきます。

ただ、子供は我慢してしまうところがあるため(当院でも痛みが出てからも放置した状態で治るのに時間がかかっている子が多いです)痛みを訴えている場合はしっかり話を聞いてあげて病院で診てもらうようにしてあげてください。