肘の外側が痛い・・・テニス肘とは!?
理学療法士の井上です。
突然ですが、「テニス肘」って聞いたことがありますか?
肘が痛い時に、病院の診察で耳にしたり、ネットで調べて目にしたことがあるかもしれません。私はテニスをしてないから関係ないわ・・・と思っている方も、もしかしたらテニス肘の可能性があります。
テニス肘というのは通称で、正式には「上腕骨外側上顆炎」という病名のことを指します。
肘の外側の出っ張っている部分(上腕骨外側上顆)に痛みが走り、特にグーっと握ったり、手首を反らす時(手の甲を上にして物を持つなど)に痛みが出るのが特徴です。
30代後半~50代に多く発症し、テニスなどのスポーツをやる・やらないに関わらず、誰にでも起こりうる病気なのです¹⁾。
主な原因としては、肘の外側の出っ張っている部分に着く筋肉の腱(腱とはアキレス腱のように筋肉の端っこの部分)が、繰り返しの負荷や加齢などにより、損傷し、正常な状態から変化することで痛みが発生します。
治療は保存療法で約90%が改善すると言われています²⁾。
保存療法では、服薬、運動療法、物理療法、肘に負担を減らすような生活指導を行います。
まずは痛みが緩和するように、安静にしたり、負担が少なくなるよう掌を上にして物を持つなど生活で注意しながら過ごしてもらいます。
痛みが緩和してきたら、損傷している腱の周囲を強くするようなイメージで段階的にトレーニングを行い、負荷に耐えられるような肘に鍛えていきます。
当院では物理療法の一つとして、拡散型圧力波治療器(PHYSIO SHOCKMASTER)を導入しています。効果の有無について意見が分かれる段階ですが¹⁾、有効とする報告もあり³⁾、治療経過に応じて、使用しています。
こういった保存療法でも改善しない場合は、手術を行うことがあります。手術を行うことなった例は、日本において約1%程度と報告されています⁴⁾。
当院では守重院長が手術も行っているため、手術前後も一貫してフォローさせていただきます。
似たような肘の外側の痛みで悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度受診してみてはいかがでしょうか。
肘の痛みに困っている方の参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
理学療法士 井上誠
参考文献
1)日本整形外科学会診療ガイドライン委員会、上腕骨外側顆炎診療ガイドライン策定委員会,“上腕骨外側上顆炎診療ガイドライン2019(改訂第2版)”.Minds ガイドラインライブラリ.2019. https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00521.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照2024-2-12).
2)Bisset L, et al. Conservative treatments for tennis elbow do subgroups of patients respond differently? Rheumatology (Oxford). 2007 Oct;46(10):1601-5.
3)Kaplan S, et al. Comparative Effects of Focused and Radial Extracorporeal Shock Wave Therapies on Lateral Epicondylitis: A Randomised Sham-controlled Trial. J Coll Physicians Surg Pak. 2023 May;33(5):554-559.
4)加藤悌二,安岡寛理,入江弘基.上腕骨外側上顆炎2800肘の疫学的研究およびその本態に関する考察.日本肘関節学会雑誌.2017,24,p.289-295.