肩関節の診療方法


肩関節は「忘れられた関節」などと言われ、その研究や治療法の確立は後回しにされてきた関節です。しかし、近年MRIや超音波診断装置により骨以外の軟部組織の評価が進歩したこと、鏡視下手術の普及により微細な病変が発見・治療されるようになったことにより、劇的に知見や治療法が発展してきました。そのため、一般整形外科医と肩を専門として勉強してきた整形外科医との診療のレベルには大きな開きがあります。
ぜんしん整形外科ではもちろん整形外科の診るべき“全身”に対応し治療に当たりますが、院長が専門として研鑽してきた肩関節の診療については、より一層他の医療機関と差別化を図ると考えています。
「肩が痛い」=「五十肩」と言われ、ぞんざいな治療を受けてきた患者さんたちの福音となれるよう治療を提供していく所存です。

神経ブロック下マニピュレーション

いわゆる五十肩は肩関節の一番奥にある関節包という組織の炎症による硬化で起こります。しかしこの硬化した関節包は少し力を加えると容易に破れたり引き延ばされたりして可動域の改善が図れます。この処置をマニピュレーションと呼びます。かつては入院全身麻酔下に行っていたマニピュレーションもブロック技術の進歩に伴い外来で行えるようになりました。

正確な関節注射

肩の関節注射は主に二つあります。一つは肩峰下滑液包注射という肩の外側から打つ注射で、もう一つは肩甲上腕関節内注射です。同じ肩の痛みでも診断により二つを使い分ける必要があります。多くの医療機関では肩峰下滑液包注射のみで対応しているようです。超音波診断装置により正確に打ち分けることができます。

ハイドロリリース

肩こりや筋腱のひきつれによる痛みに効果を発揮します。痛みを起こしている筋肉と筋肉の間や腱周囲にエコーガイド下に水分(生理食塩水)を注射することでひきつれを改善することで痛みや可動域の低下の改善を図ることができます。

関節鏡下手術

院長は600件以上の肩関節鏡手術の執刀経験を持ち、東大整形外科肩グループの手術トレーニングコースでは講師も務めています。保存治療では対応しきれず手術が必要となった場合にも責任をもって提携病院にて手術を行います。