腱板損傷

腱板とは?

肩のインナーマッスルとして働く筋肉を腱板(けんばん)と言います。肩にある腱板は、「棘上筋(きょくじょうきん)」「棘下筋(きょっかきん)」「小円筋(しょうえんきん)」「肩甲下筋(けんこうかきん)」の4つの筋肉で構成されています。

アウターマッスル(カラダの表面にある大きな筋肉)やインナーマッスル(関節に近い部分にある小さな筋肉)は皆さん聞いたことあるでしょうか。肩に関しては、このアウターマッスルとインナーマッスルをバランス良く使うことが大事とされています。そのため、腱板損傷とは腱板が痛んでしまうためインナーマッスルが上手く働かずに痛みや腕が挙がらないといった症状が生じます。

インナーマッスル

インナーマッスル

腕がうまく挙がらない

右腕がうまく挙がらない

腱板が損傷する原因

腱板が損傷してしまう原因は主に3つ挙げられます。

1. 加齢による影響

年齢を重ねるにつれて、腱板の変性(老化)が生じることで傷んできます。注意しなければいけないのが、四十肩や五十肩と違って「関節自体は動くけど動かすと痛い」「自力で腕を挙げられない」といった症状が出現します。四十肩や五十肩なのか腱板が損傷しているかを医療機関に受診して確認することが大切です。レントゲンでは、骨の状態は分かりますが腱板が損傷しているかは分からないため、超音波診断装置やMRIでしっかり肩の状態を確認してもらいましょう。

2. 外傷(ケガなど)

加齢による影響は徐々に腱板が傷むのが原因に対して、転倒により手をついたときや重い物を持ち上げたときなど、外傷によって腱板が損傷してしまいます。

3. 使い過ぎ(オーバーユース)

野球など肩を使うスポーツを行う方や力仕事をされる方など、日常的に肩を酷使し続けることで腱板が徐々に損傷していきます。

治療方法

まず、頭に入れておきたいのは損傷した腱板自体は治らないということです。じゃあ、ずっと症状が続くのか・・と不安になるとかもしれませんが安心して下さい。

腱板損傷による一時的な炎症であれば注射や薬物療法で症状の改善が期待できます。またリハビリで「姿勢の調整」、「肩甲骨の機能を高めること」、「肩関節自体の動きを改善すること」これらの治療で症状を緩和させることは可能です。

注射や内服、リハビリを行っても症状が変わらない場合は手術を提案します。当院では、院長が近隣の病院で手術を行っており、手術した後も当院でリハビリを継続することが可能です。現在では、内視鏡を用いることで傷口の小さな手術が可能になっています。手術後は外転装具といわれる装具を約3~5週間装着しつつ外来リハビリを行う流れになります。

腱板損傷の手術に関する詳しい内容はこちら⇒ 「https://bit.ly/3mAmyFG

リハビリ内容

リハビリ内容

手術後の装具