肩関節周囲炎(五十肩)

五十肩とは?

一般的によく言われる五十肩は医学的に「肩関節周囲炎」と言われます。名前の通り、肩の周りに炎症を起こしている状態です。「動かしたときや夜に肩が痛い」「腕の動きが悪くなった」などの症状が生じます。加齢により肩関節の周りの組織が老化(変性)し肩に過度な負担が生じることで炎症が起こるとされています。

五十肩には3つの時期がある

五十肩には、「急性期」「凍結期」「解凍期」といった3つの時期があります。これらの時期によって症状も異なってきます(下図参照)。

急性期 凍結期 解凍期
・痛みがメイン
・ジッとしても痛い
・夜間痛が特徴
・強い痛みは和らぐ
・肩を動かすと痛い
・肩の動きが悪くなる
・動かすときの痛みも改善
・動きも徐々に良くなる

時期によっては、無理に動かすと症状が悪化する一方で、動かすべき時期に動かさないことでより動く範囲が狭まってしまうこともあります。当院には超音波診断装置を配置しているため、肩の炎症や筋肉の状態をしっかり把握することが出来ます。肩関節の状態を確認して、時期による適切な対処をしましょう。特に夜間やジッとしても痛い方は、肩関節の炎症が強い状態にある可能性が高く医師による注射が効果的です。

急性期 凍結期 解凍期
・肩に負担のかかる動作は控える
・薬物療法(注射は内服)
・就寝時の姿勢に注意
・痛みに応じて徐々にリハビリをする
→動きが悪いママ放置しないようにしましょう!
・積極的に肩の動きを広げていきます。
・弱った肩周りの筋肉の働きを良くする

就寝時の姿勢

リハビリ内容

肩甲骨や肩の動きを良くするストレッチ

肩甲骨周りや肩のエクササイズ

超音波診断装置による肩の見え方

自然に良くなる?

よく五十肩は、時期を過ぎれば自然と良くなると思っていらっしゃる方もいます。個人差はありますが、「急性期(特に夜間やジッとしている痛みがある)」が続く方や「凍結期(痛みもあるが、腕が明らかに動かなくなっている)」で肩の動きが悪くなったまま放置している方は整形外科での治療が必要です。そのため、肩に不調を感じたときは早めに受診しましょう。硬くなり動く範囲が狭まった関節の動きを戻すには時間がかかります。リハビリを開始しても肩の動きの改善が乏しい場合、当院では動きを良くするためのハイドロリリースという注射やマニピュレーション(関節受動術)を提案する場合もあります。マニュピレーションの詳細は<肩関節の診療方法>より確認してみて下さい。