解剖学講座受講してきました!

理学療法士の綿貫です。

今回は自分が受講してきた「臨床解剖学講座」について話していきます。

臨床解剖学講座とは?

月に1回、計12回行うセミナーで1年間通して人体の解剖を徹底的に学ぶものです。

講座内容は、

肩関節・肘関節・手関節・股関節・骨盤周辺・膝関節・足関節・脊椎

と、まさしく全身を網羅するものでした。

第1回 肩関節(頸部・肩甲帯)
2回 肩関節(前上方断裂に関する構造)
3回 肘関節(外側)
4回 肘関節(内側)
5回 手関節
6回 股関節(骨盤の外)
7回 股関節(骨盤内)
8回 膝関節(関節内)
9回 膝関節(関節外)
10回 足関節
11回 固有背筋
12回 受講生発表会・総まとめ

どんなことが学べるの?

人体には色々な組織があります。

たとえば『筋肉』『靭帯』『腱』といった組織は、皆さんもご存じかと思います。この講座はこれら人体を構成する組織を専門家達が丁寧に解剖を行い明らかにしていくため、より詳細な人体の構造を学ぶことができます。

 

整形外科領域のリハビリテーションでは解剖学とその機能の理解が欠かせません。

しかし、日本の理学療法士が養成校を卒業した後に、詳細な解剖学を学ぶ機会は一部を除いてほとんどないのが現状です。

僕たち理学療法士の治療方法は様々ですが、人体の組織に対して何らかの変化を起こすことで症状を改善することに違いはありません。

それなのにこれを学ぶ機会が少ないというのは不思議な話で、今回のセミナーは非常に貴重な学びの場でした。

ただ・・・

はっきり言ってめちゃくちゃ難しい。難しいというよりはややこしい。

当たり前ですが、何個もある組織がミルフィーユのごとく層を成して形を成しているものを理解しなければいけないので、頭の中がぐちゃぐちゃになっていきます(笑)1度ではとても理解しきれない内容でしたので、何度も何度も復習していきたいと思います。

左図:右の肩を前からみた写真。重なりあっている筋肉を少しずつ展開していき、神経を露出しています。この通り神経の走行はとても複雑で、しかも個体差があります。これらを知ることで、皆さんが困っている症状の原因を理解することができます。

右図:股関節の断面図になります。骨を中心に筋肉や筋肉を包む膜など、先ほども述べたように幾重にも重なり層構造となっています。

例えばこんな時・・・

さて、ここで皆様にお聞きしますが、腰に手を回す、背中をかくなどの動作をすると肩の前側が痛くなることはありませんか?このような体の後ろに腕を回す動作を『結帯動作』といいます。

結帯動作は棘下筋が伸びる動作になります。棘下筋は肩の後ろにある筋肉なのですが、不思議なことに後ろではなく前に痛みがでることは良くあります。

肩の前には肩甲下筋がありますが、これは結帯動作をするとたわむ筋肉なので、基本的には負担がかかることはありません。

しかしながら、詳細な解剖を聞くとある組織を介して、棘下筋と肩甲下筋は直接的に連結していることが分かりました。その組織は烏口上腕靭帯と言われ、古くは1本の帯のようなものと認識されていました。ですが、近年は膜状の組織として認識されるようになりました。その膜が肩甲下筋から棘下筋まで覆うように存在します。

つまり治療としては、前側が痛いにも関わらず、棘下筋を柔らかくすることが必要です。

オススメするのはテニスボールを使ったマッサージです。タオルの中にテニスボールを入れたものを用意します。それを背中と壁の間に挟み、マッサージしたい部分に押し当てるようにします。

(このやり方は実際の患者様に教えていただきました!ありがとうございます!)

自分で行うには簡単かつ効果のあるものです。気を付けてほしいのは、硬すぎる物を使用するのは避けることです。

稀に青あざを作ってこられる方がいますので笑

まとめ

今回は自分が受講した臨床解剖学講座について簡単ではありますが、お話しさせていただきました。非常に難しかったですが、濃い内容で有意義な時間を過ごすことができました。

僕の好きなバスケットボール選手(とんでもなくシュートが上手い選手です)がシュートのコツを尋ねられたときこんなことを言っていました。

『簡単にシュートが入ると思うか?時間をかけ繰り返し練習するのみ』

この言葉通り、僕も繰り返し学び理解していきたいと思います。

一応修了書をいただき、この講座の1期生に無事なることができました。

今後も精進していきたいと思います!

参考書籍

秋田ら:運動器臨床解剖学―チーム秋田の「メゾ解剖学」基本講座.全日本病院出版会